泰日工業大学 ものづくりの教育現場から

第83回 『E棟オープンと新サービス』 

タイでものづくり教育を進める泰日工業大学(TNI)の例をもとに、中核産業人材の採用・育成について検討します。本号では、正式には今年8月30日のTNIディ(学園祭)の時にオープンする、TNIの5番目の建物となるE棟と、A棟2階に設置したコーワキングスペース、研究開発拠点の人工知能システム統合センター、スタートアップ支援協力をご紹介します。TNI外では、日本との提携校からの学生のみならず、一般の方も利用価値が高いと思われる図書館、コンベンションホール、コーワキングスペース、スタートアップ支援サービスなどをご紹介します。皆さんも刷新されたTNIをぜひご覧ください。著者:吉原秀男(Yoshihara Hideo)泰日工業大学(TNI)学長顧問

E棟のハイライト

タイの慣例(?)でしょうか、このE棟も正式な開館前の本年1月の図書館、5月のコンベンションホールなど、順次オープンしました。E棟はこれまでの4棟の真ん中に位置し、6階建て(M階を含むと7階)のロフトスタイルの建物です(図をご参照)。工事は2017年9月から2018年末までかかりました。この間、TNI創設貢献者の像や安倍総理が記念植樹した(家を支えるという意味がある)カヌン(ジャックフルーツ)の木が一時的に移動し、今は元の場所に復帰しています。

1階には300席のオープン食堂と医務室・インターンシップ・就職支援センターがあります。食堂は600ml水7バーツ、1品30バーツぐらいで、タイ料理が主です。イスラム用のハラール料理や、すしなどもあります。B棟やD棟の1階にも食事コーナーが、また、A棟の1階には喫茶室ができ、今まで狭かったという学生の苦情がありましたが、だいぶ余裕ができた感じです。なお、大学寮はなく、地方からの学生が構内隣接のアパート群に住む場合が多いのですが、その1階部分にも食堂があり、も利用者が多いようです。

2階には学生と外来者が利用できる図書館があります。図書・教科書のほか、Wi-Fi無料で、コンピュータが利用できます。電子書籍・ジャーナル、ミニシアター、検索の無料利用、チュラ大との図書利用などができます。祭日は休館日ですが、月~金曜は8:00~18:00、土・日曜は9:00~18:00の利用が可能です。外来者は一日50バーツ、年間1,000バーツで会員利用ができ、2,000バーツのデポジットが必要ですが、図書・教材・CDなどを借りることができます。なおM階は、ジョブフェアなどが行われる多目的エリア、3~5階は、主に英語で行われる国際プログラムの施設です。

そして6階には、コンベンションホールがあります。最新のオーディオ・映像・照明設備で、 部屋は400~600人収容でき、二部屋に分割することができます。分割すると、各200~300席になります。 会議室、セミナー、各種宴会の開催に適しています。 400〜600、250、および150席の1日あたりの利用費用は、それぞれ25,000、15,000、10,000バーツです。

コーワーキング(共同作業)スペースと産学協力

これまで図書室として使っていたA棟2階に研究・学術サービスと共同作業スペースを新設しました。産学共同の研究・開発サービスを提供し、また個別企業研修やオープンの産業研修の形でビジネス・産業界に学術サービスを提供します。特に人工知能システム統合センター他が担当し、IoTと自動化、スマートファーム、組織管理、TPS・リーン生産、組織診断または「シンダン」に関するコンサルティングを提供します。 さらに、研究・開発、スタートアップ、ビジネスのインキュベーションのための共同作業スペースも30席を用意しています。 今後協力協定を結び、法人の個人には一人当たり月額3,000バーツ、法人には月額5,000バーツで利用していただく予定です。なお詳細は、学長室にご連絡ください。

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