タイ節税講座
Chapter2 第4回 積立貯蓄プランの例
前回は私たちタイに住む日本人におすすめな保険として年金プランをご紹介させていただきました。今回は『積立貯蓄プラン』についてご紹介します。
積立貯蓄プラン
積立貯蓄プランは積立期間と満期時期が決まっています。所得税控除は、年間最大10万バーツまで控除が可能です。利回りもタイの銀行定期よりも高く、お金を貯めるには最適なプランです。活用方法として、①お子様の進学資金のため学資保険として②ご自身の退職時期に合わせて退職金作りとして③法人税削減や会社の福利厚生としてなどがあります。
一昔前のタイや日本だと「積立保険」というと満期時にきちんと受取りできるのか分からないなどの問題がありましたが、現在、タイでは保険会社の未払いのような問題もなくなり、満期時に受取りできないというようなことは一切なくなりました。
ただ、満期金のうち「保障されている額」と「運用実績による額」があります。保険会社によっては私たち外国人用に保険資料が作成され、確実に保障されている金額について十分な説明がないケースもあるため注意が必要です。
では、実際のプランを見てみましょう。
【実例:5年積立12年満期プラン(30歳男性)】
こちらのプランは5年間の積立後、満期12年後に受取りできるプランです。年間積立金額は10万バーツにて作成いたしました(金額はアレンジ可能です)。
積立期間:5年
満期期間:12年
年間積立金額:100,190バーツ
合計積立金額:500,950バーツ
満期受取金額:652,400バーツ
積立貯蓄プランの場合、生命保険控除(控除額最大10万バーツ)が適用となります。
≪税率30%の方の場合≫
100,000バーツ×30%=30,000バーツ
年間3万バーツの節税が実現できます。積立期間が5年間のため、合計で15万バーツの節税となります。つまり実質のご負担額は350,950バーツにて、合計652,400バーツの受取が保障されております。
積立期間は最短3年~20年まで選択できます。満期期間も10年~25年まで選択できるため、いつ頃にまとまった資金が必要かによってご自身に合ったプランを選ぶことができます。
【事業主・経営者の皆様へ 保険を使った法人税削減について】
個人の資産運用の他に、タイの保険は法人税削減や会社から個人への資金の移行をスムーズに行うことも可能です。日本では損金として認められないものもタイでは認められるケースが多いです。一般的に経常利益の10~15%程度までの保険料が損金として計上可能です。これは一般的な死亡保障をメインとした生命保険などだけでなく、今回ご紹介した積立貯蓄プランや年金プランなどでも適用できます。
例えば5年積立12年満期の積立貯蓄プランにて、年間100万バーツ積立をします。この積立金100万バーツは毎年法人の損金として処理されます。そして満期12年後には約654万バーツが満期金として受取れます(ただし積立金は損金として処理できる代わりに、名義人の個人所得は追加されます)。
支払いは法人ですが受取りは個人のため、満期金は名義人への報酬やボーナス、退職金などに活用できます。このような保険を社員にかけることにより、その社員が長く勤務するなどの効果が期待できます。
解約返戻金や死亡保険金、満期金など保険に関わるお金の受取りはすべて非課税です。
タイで事業されている事業主・経営者の方は、日本の本社がなくてもこのような保険を活用して、法人のキャッシュフローをスムーズにすることが可能です。
さらに保険会社から解約返戻金の約9割まで、審査不要で融資を受取ることができ、金利も銀行と同等です。例えば毎年100万バーツを5年間積立した場合、7年後には約480万バーツ、10年後には約542万バーツの融資が受けられます。これは今後事業で急な資金が必要となった場合に活用できます。
今年の節税対策をお考えの方は年内のご契約が必要です。どうぞお急ぎくださいませ。
【著者】 佐々木 扶美 タイ資産運用アドバイザー
MDRT4年連続会員(世界中の生命保険・金融サービス専門職のトップクラスのメンバー。MDRTメンバーはビジネスと地域社会のリーダーとして、生命保険と金融サービスの専門家として世界中で認知されている)
在タイ12年。利回りの高い保険を活用した法人税、個人所得税の節税コンサルティング、および土地を使った資産運用のアドバイスを行う。配偶者はタイ人、タイ永住組。
メール:info@siamrcs.com
www.aseanlandbanking.com