泰日工業大学 ものづくりの教育現場から

第25回 『TNI学園祭、学長叙勲、日系企業勉強会』

タイでものづくり教育を進める私ども泰日工業大学(TNI)の例をもとに、中核産業人材の採用・育成について検討します。今回はTNIの最近の行事を紹介させていただきます。読者の皆様も、学園祭と日系企業勉強会は、テーマもそうですが、タイの大学・大学生を知る絶好の機会となっており、ご来校を歓迎します。

TNI Day 2014 、毎年恒例の学園祭を開催

2014年8月1日、恒例の学園祭を行いました。今回は、大学設立8年目を迎え、「タイ-日本の教育と英知」というテーマで、過去7年間を振り返り、8年目以降に臨もうというものです。またTNIの母体であるTPAの創設貢献者に感謝する行事や、様々な学術活動と参加者が楽しめる余興行事も行いました。これらの行事は、学生・教職員にとって学術活動と日ごろの学芸等を参加者に披露し、お互いの知識、文化、学習体験を共有する良い機会です。

今年は、経営学部学生による青年起業家プロジェクトチームが、手作り製品展示会を開いて手ごろな値段で頒布するなど、学園祭参加者に喜ばれたほか、学生にとっても、ものづくりの考え方を実践的に学ぶ機会になったようです。また、ワルシャワ工業大学からピエシナ教授を迎え、自動車空気力学について工学部学生や学外参加者に講演いただき、学生フォーミュラー・カー試作指導をしていただきました。いくつかの学術大会、研究室・ワークショップ訪問や文化行事が含まれる有意義な機会になりました。

日タイ技術交流に栄誉、クリサダー氏、旭日中綬章の伝達式

日本とタイの技術交流促進に貢献し、バンコクの泰日工業大学学長として、若者の育成にも尽力したクリサダー・ウィサワティーラノン氏(64)に対し、旭日中綬章を授与する伝達式が、バンコクの日本大使公邸で行われました。

クリサダー氏は1969年から6年間、日本に留学し、帰国後はチュラロンコン大で准教授を務めた後(る一方:筆者修正)、80年から泰日経済技術振興協会に参画しました。日本側関係者と協力し、ロボットコンテスト(ロボコン)開催などを通じて若手タイ人技術者の育成に努めてきました。2007年の泰日工業大学設立でも中心的役割を果たし、現在も学長を務めています。

伝達式は今月14日に開かれ、安倍首相の祝辞を佐藤重和大使が代読。首相は、泰日工業大学が「長年にわたる日タイ友好関係の象徴である」と評価し、クリサダー氏の功績に感謝を表明しました。

クリサダー氏は佐藤大使から手渡された勲章を首から下げて壇上であいさつ。叙勲について「まことに晴れがましく、ありがたい」と述べ、今後もタイの若者たちへの「ものづくり教育」に勤めていく意欲を語りました。式には日タイ関係者100人が出席しました。

(バンコク 永田和男氏執筆・讀賣新聞2014年8月19日(月)から引用)

タイの政治と社会理解など第1回日系企業勉強会

6月20日 (金) 日系企業等の日本人を対象に、表記のテーマのほか、タイの大学とTNI、TNIの卒業生の日系企業就職、HIDAの日系企業の産業人材支援制度についてのセミナーを開催しました。予約をはるかに超える170人の方に上記テーマについて聞いていただいたあと、TNI学生5チームのガイド案内で工学部研究室などの主要施設を見ていただきました(写真参照)。多くのご要望に応じ、次回勉強会を11月28日に予定しています。学長室・広報部にお問い合わせください。

  • Facebook
  • twitter
  • line

関連記事