タカハシ社長の南国奮闘録

第92話 Uマシンは元気の源

月刊Uマシンで記事を書きはじめて8年ほどになる。私は元来、文章を書くことも読むことも苦手だ。音読においては、子供たちを寝かしつける際、絵本を読み聞かせるつもりが、つっかかって意味が変わってしまい、逆に子供の目がさえるくらいだった。

読むことに対する苦手意識から、昔話の内容も勝手に変えて、絵から想像できる作り話をしていた。

例えば、醜いあひるの子は いじめられながらも反骨心を武器に成長して、白鳥サイズのアヒルとなりセレブの仲間入り。シンデレラは、母親の死を受け入れることができず妄想の中に生きて……。なんとも子供向けではない話ばかりだ。

思い返せば、私は昔から想像力は長けていたが、話が上手いわけでもなく、文才があるわけでもなかった。そんな私の話を、いつも聞きやすく修正してくれたのが長女だった。これによって鍛えられたのか、長女は文章能力に長けている。

この記事が皆さんに分かりやすく読んでいただけるのは、校正をしてくれる長女がいるからだ。最初の頃の記事に比べ、読みやすくなっていることに気づかれた方が一人でもいたらうれしい。

長女は読み手のことを一番に考え、いらない話を削り、基本的なストーリーを大切にしながら、なぜこの話を伝えたいかを聞き出して文字に落としてくれる。最初に私がA4用紙2枚ほどに書き、その内容をヒアリングしながら校正してくれる。大きく訂正になることもしばしばだが……。この記事作成を通して、自身もスキルを身につけて成長している。とても頼もしいパートナーだ。

家内がタイに来てくれた時、月刊Uマシンを手にして目に涙を浮かべていたのが印象的だ。私のタイでの努力と、娘の成長が形になっている誌面を見て感慨深いものがあったのだと思う

タイでの事業立ち上げ当初は、1年の半分以上をタイで過ごし、子育ては家内に任せきりで、思春期や受験など大変な時期にそばにいることができなかった。そんな時でもつらい顔一つせず、私が仕事に集中できるように家の中のことは心配をかけないようにしてくれていた。

私がタイで頑張れたのも、子供たちが立派に成長したのも家内の支えがあってのことだ。本当に感謝しかない。

私にとって月刊Uマシンの記事を書くことは、毎月社長としての自分を見つめなおす機会でもある。読者の方からの応援メッセージや、「読んだよ!」の一言でまた来月号も頑張ろうと思える。

そしてこの連載を通して、子供たちに少しでも社長として、父親として、働く背中を見せていけたらなと思う。この記事の掲載を任せてくださった方、編集部の方にも感謝だ。

私の名前で掲載しているこの月刊Uマシンの記事は、私一人ではなく、周りの皆様に支えられて作り上げられている。私にとっては、タイで頑張れる元気の源だ。

(2019年9月号掲載)

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