タカハシ社長の南国奮闘録

第108話 新ブランド始動

以前から当連載に登場している新ブランド「マイスタ」の商品であるマルチフレームのクラウドファンディング期間が終了した。マクアケというクラウドファンディングに40日間掲載したところ、思いのほか高評価が得られた。  日本列島は本格的な冬を迎え、忍び寄るコロナ第三波に人々は翻弄されている。それに伴うテレワークの孤独作業が、この商品で少しでもウキウキわくわくしたものとなるよう考えていたのでベストなタイミングだった。  支援してくれた皆さんに迅速に届けるため、真心を込めて感謝状を作成し、急いで出荷作業をしている。クラウドファンディングが終了しても一息つく暇はない。次は使用した人たちの感想をもとに、さらなるブラッシュアップが必要となる。ユーチューバーやセミナー講師の方々に一足先に使ってもらい、感想や気になった点を教えてもらった。その中には、配送時の重さや段ボールの量、説明書では伝わりきらない細かな疑問など、製作側では気が付かない点がいくつもあった。  さっそく改良作業に取り掛かった。しかし進めるにあたり、様々な障害が立ちはだかった。私たちは商品の使い勝手ばかりに囚われて、「マイスタ」のブランディングをおろそかにしていた。骨がないのに筋肉ばかりつけている状態で、迷ったときに立ち返れる根っこがない。  開発やブランディングには、ターゲットになる人を絞り込む必要がある。使い手の年齢が違えば新しい意見が出てきて、それに合わせて改良していたらきりがないからだ。ニーズはどこにあるのか、何歳ぐらいの人の購入が多く、その人の年収はどのくらいなのかなど、様々な角度から分析して絞り込まないと軸がぶれてしまう。  現在はECサイトの立ち上げや、展示会への出展に向けてブランディングを推進しているが、これが容易なことではない。人それぞれ思いや考え方があり、製作チームの意見の統一が難しいのだ。思い入れが強いがゆえに意見の対立が起きてしまう。  しかし、大切なのはあくまで使い手側であり客観的な思想である。クラウドファンディングで得たデータをもとに、一番購入が多かった50代男性をターゲットとすることにした。そうなると、あるていど時間や生活にゆとりがあり、シックでかっこいいイメージのブランディングにしていくことで意見が一致した。まだまだ分析していくことはたくさんあるが、新たなブランドのイメージを想像するとわくわくしてくる。  新しいことにチャレンジするとたくさんの壁にぶつかるが、新たな発見や思いもかけない人脈ともつながり、吸収できるものがそれ以上にある。コンシューマービジネスへの初挑戦、まだまだ海のものとも山のものともわからないが、相乗効果としてグループ全体が協力し合う関係性を作るチャンスともとらえている。そして10年後には、コロナショックがあったからこそ、チャレンジしていたからこそ、今のテクニアがあると語っていたい。  それにはここでしっかり土台を固めておかないといけない。要するに今が正念場だ! 本格販売に向けてやるべきことが山積みだが、妥協することなく精魂込めて着実にステップを踏んで商品開発を進めていきたい。

2021年1月1日掲載

  • Facebook
  • twitter
  • line

関連記事