特集 タイ製造業の未来へ【モノづくりの概念を変えるか 金属3Dプリンタの可能性】KURODA AUTO-TECH(THAILAND)CO.,LTD.

 

近年、技術進化の著しい3Dプリンタ。今後、モノづくりの在り方を大きく変える可能性を秘めている。

電子部品商社黒田電気のグループ会社、KURODA AUTO-TECH(THAILAND)は、アユタヤのロジャナ工業団地で自動車の内外装品向け射出成形金型を製作している。昨年3月、同社はソディックの精密金属3Dプリンタ「OPM250L」を導入した。OPM250Lは金属粉末を均一に敷き(リコーティング工程)、その金属粉末をレーザー光でスキャンすることにより溶融凝固。その後、回転工具で高速ミーリングにより高精度な仕上げ加工を行うことで、積層造形だけでは得られない高品位な形状加工が可能になった。田中保良MDは「もっと良い金型が作れるようになるのは間違いない。コストや品質、納期の面ですぐにでもメリットが出る可能性があると判断しました」と振り返る。

田中MDが初めて3Dプリンタに出会ったのは20年程前のこと。それ以来、メディアなどで技術進化を追っていたという。3Dプリンタについて「色んな機械、人が関わってモノが作られていきますが、それが1台でほとんどできてしまう。金型を作るプロセス、モノを作る概念が根本的に変わる」と評する。3年前には別のメーカーの機械でデモも見ていた。技術的知識は既に持っており、OPM250L購入に至ってはテスト加工もしなかったという。

プログラムからセッティング、メンテナンスまでオペレーションはタイ人技術者に任せている。日本で研修も受けたものの、機械のオペレーション自体は初めてだった。ノウハウが確立されているわけではなく、無駄な先入観がない方が新たな加工に挑むことが出来る。「どのように使うかを考えなさい、と言って使わせている」と話す。

今年に入って本格的に金型部品の製作に活用。一度に複数の部品を造形するなどして、直近の月間稼働時間は約500時間。その他、外部から受託した金型部品なども製作している。「金型部品以外もお受けしたい」と語る。ひとたび動き出せば、加工が終わるまで数日間は動き続ける。「不思議な機械ですね」と田中MD。まだオペレーション上の改善点はあるが、「ソディックさんもそばにいてサポートしてくれる。タイというハンディは感じません」。

今後に関しては「突き詰めないといけない点が一杯ある。この機械でどこまで出来るかを見極めたい」とする。まずは金属3Dプリンタの可能性を最大限引き出すことに注力する考えだ。

  • Facebook
  • twitter
  • line

関連記事