【計測器特集】COSMOWAVE TECHNOLOGY CO., LTD.

多業種からの引き合い相次ぐ / 確立された驚異の異音検査技術 

検査機器メーカートップの「コスモ計器」(東京・八王子)がタイで始めた異音検査事業が好調だ。周囲の雑音が混入した中での異音の抽出は、まさに神がかり的な職人技。これまで長い経験を積んだ技術者だけしかなしえなかった技を、同社が開発した異音検査システム「ムーブレットインラインテスター MV-6000B」が難なく解析していく。すでに多方面から引き合いが起こっており、噂を聞きつけたとして照会もひっきりなしだ。新たな事業として確立された驚異の異音検査を紹介する。

そもそもは気密検査をプロフェッショナルとしてきた同社。被圧検査の技術を活用して、わずかに漏れ出た空気を感知、事故を未然に防止する。その技術は自動車や電子機器の生産はもとより、食品加工や衣料生産などにも応用され用途は広い。ニッポンのモノづくりを製造工程の最終段階で支えてきた。

異音検査事業を始めたのはわずか数年前。市場ニーズを受けてのものだった。ただ、同検査は目視できたり兆候がある他の検査とは異なり、最終的には熟練者が五感を使って初めて分かるという一段と高次のもの。果たして同様同質の自動検査技術が構築できるのか。不安がつきまとった。

だが、それで根を上げるようなことはなかった。何度も試作し検証することで、ついには自社開発の検査システムを完成させる。その特徴は、多量な音声データから不要な雑音を除去するフィルタリングをまず行い、その上で特徴的なデータを抽出という二段構えにあった。こうすることで、ミスのない確実な異音の発見につながるのだという。

ようやくお披露目となった同システムだったが、タイの市場でどのようにしたら受け入れられるかという課題もあった。導入費用は決して安価ではなく、いまだ労働集約型産業が少なくないタイでコストの面で見合うかという不安もあった。せっかく育て上げた技術者が他に流出してしまうという悩みもあった。

このため、導入にあたっては徹底した音声データの蓄積を行い、精度のアップに心がけた。「音をどれだけ数値化できるかで性能は決まる。人の手を可能な限り必要としないためにも、収集するデータの量が必要不可欠だった」とタイ法人COSMOWAVE TECHNOLOGY CO.,LTD.の西村 宏Technical Directorは振り返る。

これまでの納入先には、自動車部品や電気部品などの名だたる日系メーカーが並ぶ。つい先日はインドからの引き合いもあった。「自動車が静かになるなど異音に対する要求はこれからも確実に増していく。まだまだ我々の知らない市場もあるのではないか」。西村TDの視線の先には世界市場が広がっている。

COSMOWAVE TECHNOLOGY CO., LTD.

52/42 Soi Krungthepkrita 13/1 Saphansung District, Saphasung, Bangkok 10250 Thailand
Mr. Nishimura (JP/EN)
Mobile:084-361-7135 E-mail:Hiroshi_Nishimura@ns.cosmo-k.co.jp

  • Facebook
  • twitter
  • line

関連記事