高能率加工を実現する切削工具 INTERMACH 2019で新製品披露

切削加工を考える時、タンガロイ抜きに語ることは出来ない。超硬合金の工具をアジアで初めて開発した業界のパイオニアである。1929年、芝浦製作所が超硬合金の開発に成功。34年、芝浦製作所と東京電気の共同出資により特殊合金工具を設立、「タンガロイ」の商品名で超硬合金の切削工具が発売された。その後、社名もタンガロイとなり、高い材料技術と最先端の生産技術力で切削工具を製造販売、新たなイノベーションを駆使して各種工具を日々開発している。

倍速切削もたらす TungForce

現在、タンガロイの切削工具は自動車産業をはじめ、航空機、石油、ガスなど幅広い分野で使われているほか、その製法の粉末治金技術を生かして耐摩耗製品や摩擦材料、土木建築工具なども生産している。タンガロイのタイ法人のディラン社長は「現在、当社は国内ではベスト5内にランクされています。日本に本社(福島県いわき市)があり、主な顧客の多くは日本企業ですが、タイが地盤の顧客、米国、欧州を本社とする顧客へも販路を広げる努力を続けています。洗練された材料技術、最先端のテクノロジーで、タンガロイは世界に名を馳せています。業界での信用は確固として揺るぎません」と力を込める。

切削工具市場の現状について、ディラン社長は技術革新の重要性を語った。「切削工具の開発において明確にターゲットをつかんでいるので、我々の高度な技術は必ず“明日の機械加工”、将来の各業界でのサポートに大きな役割を果たすでしょう。市場では競争が激化する一方です。生き残りのカギは、知識、イノベーション、ノウハウが重要になります。イノベーションと創造思考がない企業は、この業界で生き残ることは困難でしょう」。

タンガロイは新製品「TungForce」シリーズをリリースしている。倍速切削を掲げ、ユーザーの生産性を高めることでコストを著しく低減することが可能。斬新で独創的なそれらのシリーズは旋削、転削、穴あけ、突切り、溝入れなどに最適なグレードの高い製品群となっている。研究開発チームは高い耐久性、安定性、加工速度を実現する適合性の高い超硬材種も含めて開発。各企業の能力向上をサポートしている。

ディラン社長は「顧客の生産活動、事業活動を効率的にサポートし、各種の問題解決のお手伝いをすることが当社の役割です。私たちは今、新しいプロジェクトを進めています。部品の設計から工作機械、工具まで総合的にサポートするターンキープロジェクトです。目的は切削加工において顧客の抱える問題をきめ細かく解決することです。このシステムで業務の効率を最大限に引き上げることができます。もちろん当社ではタイ人エンジニアによりお客様をサポートするメンバーで構成しています」と話す。

 

利便性の高い2つのアプリ

このような付加価値の高いサービスは、他社には見られないタンガロイならではのものといえる。経験を積んだ熟練のエンジニアが、顧客が抱える問題を的確に解決する。「オフィスに座って顧客からの電話を待つだけではなく、現場を回って実態に触れ、アドバイスを行います。そこから顧客の信頼および知識の蓄積が生まれます。私たちのエンジニアの指の爪が黒く汚れているのは、それだけ長い時間、機械や工具と取り組んできた証拠です。機械を、工具を通じてこそ顧客の真のニーズが理解できるのです」。

このようなサービスにより顧客からの信頼、信用がより高まるとディラン社長は言う。切削工具世界大手の同社から知識と技能が顧客の加工現場に流れ込むのである。「トレンドは変化して止みません。経験を積むことがますます重要になっています。エンジニアチームは顧客だけでなく当社をも助けているのです」。

タンガロイは産業界で高い評価を受ける世界の一流企業である。切削工具の研究開発においてタンガロイは世界の最先端に立っている。その選択と集中によって、レベルの高いイノベーションを生み、成長への道筋をつかんでいる。現在、タンガロイは2つの無料のアプリケーション「ドクターカーバイド(Dr. Carbide)」と「ATLAS」を提供している。どちらもアンドロイドおよびiOSに対応。

「ドクターカーバイド」はタンガロイのオンラインカタログ、エンジニア、セールスに重宝される切削工具ナビゲーションシステム「Tung-Navi」、他社材種やチップブレーカーの相当品紹介ソフト「Insert Converter」、切削条件、加工能力などを算出できる「Machining Calculator」を備えている。切削工具に携わるエンジニアやセールスをサポートする。また、「ATLAS」はすべての製品をカバーする問題解決の道を示すもので、刃先交換式工具、インサートから保持具までカバーする。

DoQuadMill、TurnTenFeedを INTERMACH 2019で投入

5月8日から11日までバンコク国際貿易展示場(BITEC)で開催される「INTERMACH 2019」にタンガロイは出展し、各種切削工具を展示する(ホール101、ブースR22)。加工のデモンストレーションに加え、実際に工具を使っているかのような3次元の体験ができるVR(仮想現実)も披露する。さらに、この「INTERMACH」において2つの新製品をリリースする。まず「DoQuadMill」は平面加工用カッタで、8コーナーの経済的なインサートを採用。準直角の切込角で冶具や干渉物の近傍まで加工が可能で、優れた加工面品位を実現する。インサートのすくい角が大きく低抵抗で、高能率加工が可能。

「TurnTenFeed」は10コーナーもの切れ刃を持つインサートにより、経済的な加工を実現する。高切込用HDタイプと、高送り用HFタイプの2種類の設定があり、加工形態に合わせて選択可能。同じインサートを搭載できる。ディラン社長は「新しいテクノロジー、特に高能率な切削工具に関心の高い方には、豊富な経験に裏打ちされたチームが説明いたします。当社のブースに大きな期待を寄せてください。決して失望させません」と締めくくった。

会社情報

会社名 Tungaloy Cutting Tool(Thailand)Co., Ltd.
住所 1858/5-7, 4th FL, Debaratna Rd., Bangna Tai, Bangna, Bangkok 10260 Thailand
お問い合わせ先 Tel:02-751-5711-4 Fax:02-751-5715 E-mail:info@tungaloy.co.th
担当者名
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