泰日工業大学 ものづくりの教育現場から
第60回『バンコクの高速道路計画と鉄道計画』
タイでものづくり教育を進める泰日工業大学(TNI)の例をもとに、中核産業人材の採用・育成について検討します。今回は第58回の続きで、スポンTNI理事長のJセミナーでの講演内容をお伝えします。前回はバンコクの交通の現状と課題を簡単な歴史と共にご紹介しましたが、今回はバンコクの5・10年後の鉄道と高速道路システムをタイ全体含めて具体的にご紹介します。なお誌面の都合上、図表を多く使い紹介させていただきます。
3 首都圏高速道路計画
3.1 首都圏高速道路計画
第58回の地図をご参照。
3.2バンコク首都圏の高速道路計画(1)
表①は、既に運行中の路線である。5番は最終的にバンナートラット(カンボジア方面)まで計画。6番は赤字線で利用客は少ない。7番までは名称が決まっているが、8番は国王崩御でまだ決まっていない。
3.2 バンコク首都圏の高速道路計画(2)
表②は、完成されているのもあるが、ペンディングのものもある。必要性を見て、電車を優先することもある。
4 都市鉄道計画(路線地図をご参照)
4.1 バンコク首都圏都市鉄道計画
表③のように13本あるが、表④の5本が稼動している。(表③は全区間を表示したものだが、その1部の区間が操業している。表④の4.1とは表③の4番目の第1期という意味。9・10番はモノレール)
4.2 バンコク都市鉄道工事計画
操業中が5本、工事中が7本あるが、すべては2020年までに開始予定。設計済み、申請中、設計中、調査検討中を表⑤⑥にした。ご参考にしていただきたい。表⑤の9・10は入札段階で、あと4・5年で完成予定。
5 タイ全土の鉄道計画
- 高速鉄道について(新幹線を含む)➡新幹線は実際のところ将来の将来と言う段階。
- 現有鉄道の複線化➡この5年で複線化を完成させる予定で、いま全力で努力中。
- 都市電車と地方の鉄道計画
5.1 タイの高速鉄道
地図及び表⑦のとおりの計画
➡北は第1フェーズがピッサヌロークまで。経済性調査、商業開発など日本政府に協力を要請している。東北線は第1フェーズがナコーンラーチャシーマー(コラート)まで。中国との交渉で、2~3回延期となっている。東部と南部線は国内の力で進めたい。
編者 吉原秀男(Yoshihara Hideo)泰日工業大学(TNI)学長顧問