タイ版 会計・税務・法務

【第65回】 タイにおける入国管理の動向について

Q:2014年8月号では正式なビザを取得せずにタイへの入出国を繰り返す『ビザラン』に関する規制が厳しくなっているという話を解説頂きましたが、これ以外にも規制が厳しくなったという噂を聞きましたが…。

A:入国管理局は現在ビザが失効した状態でのタイ滞在(オーバーステイ)に対する規制を強めています。まず、入国管理局での手続きの際には『ビザ・オーバーステイに関する罰則に関する同意書』に署名することが求められ、この上で、オーバーステイが発生した場合の罰則を当該オーバーステイが発覚した理由・及びその期間に応じて以下の通りとすることが公表されています。

【自ら出頭した場合】

 90日を超える場合:1年間のタイへの入国禁止

 1年を超える場合:3年間のタイへの入国禁止

 3年を超える場合:5年間のタイへの入国禁止

 5年を超える場合:10年間のタイへの入国禁止

【逮捕により明らかになった場合】

 1年以下の場合:5年間のタイへの入国禁止

 1年を超える場合:10年間のタイへの入国禁止

Q:入国時に現金保有に関するチェックを受けた、という話も聞きました。

A:在タイ日本国大使館のホームページにも記載がありますが(※)、タイ国入管当局によれば2000年5月8日付内務省告示により、保有するビザごとに所持すべき金額(バーツもしくは相当外貨)は以下の通り規定されており、同規定は現在も有効とのことで、恐らくこの規定が厳格に適用されたものと考えられます。

 

入国時のビザ種類 一人の場合 家族の場合
ビザ無し入国又はトランジット・ビザ 10,000バーツ以上 20,000バーツ以上
観光ビザ 20,000バーツ以上 40,000バーツ以上
到着時ビザ 10,000バーツ以上 20,000バーツ以上
ノン・イミグラントビザ 20,000バーツ以上 40,000バーツ以上

 

(※)出典:在タイ日本国大使館HP http://www.th.emb-japan.go.jp/jp/news/140612.htm

 

なお、本文書は一般的な検討を行ったものであり、個別のケースで問題が発生した場合には、多くの場合関連法規の検討や専門家のアドバイスが必要となります。そのため、本文書の著者及び所属先は、本文書の掲載内容に基づいて実施された行為の結果、並びに誤情報及び不備については責任を負いかねますのでご了承ください。

 2014年10月

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