タイ版 会計・税務・法務

【第63回】 ビザ無しでタイに滞在することについて

Q:タイにビザ無しで滞在することが今後は難しくなるという噂を聞きましたが、これは事実でしょうか。

A:日本からの旅行者は、空路で来タイした場合は30日間、陸路で来タイした場合は15日間のビザ無しでのタイ滞在が認められており(※1)、この規定について変更はありません。

一方、この規定を利用してタイへの入出国を繰り返し、タイに長期滞在する外国人が増加していることを受け、2014年5月8日、入国管理局は以下の旨の告知を出しました(※2)。今回のご質問はこれに関するものと拝察します。

『観光以外の目的でタイに滞在するための陸路国境での『出入国を繰返す行為』(以下 Out-In)を禁止する』

『(本発令日以降8月12日以前までは)空路入国者がOut-Inを実施していたと判断された場合、パスポートにOut-Inを示す「O-I」のスタンプが押され、次回以降は滞在目的に合ったビザを取得するよう、査察官より指導がある。8 月12 日以降に空路で来タイする際に査察官がOut-Inだと判断した場合、査察官は当該入国者のタイへの入国を拒否する必要がある』

Q:具体的にはどういう影響が考えられるのでしょうか。

A:従来ビザ無しでタイに長期滞在していた外国人は勿論ですが、例えばビザ無しでタイへの短期出張を繰り返していた外国人ビジネスパーソンもOut-Inに該当すると判断され、最悪のケースではタイへの入国を拒否されるという可能性もあります。本稿を書いている6月末現在では当局からの公式アナウンスとしての運用上のガイドライン等は出ていないため、実際にどの程度厳格に本告知が運用されるかは不明ですが、例えば日系企業で上記のようなケースに該当する場合は、適切なビザ(及び労働許可証)を取得してのタイ入国・滞在がコンプライアンス上も望ましいものと考えられます。

(※1)原文はhttp://www.immigration.go.th/nov2004/en/content/voaDetail.html なお、実務上は陸路でも30日の滞在許可が出る場合もあるとの情報もあり。

(※2)原文はhttp://www.immigration.go.th/nov2004/en/base.php?page=readmore&id=1895&section=notice

 

なお、本文書は一般的な検討を行ったものであり、個別のケースで問題が発生した場合には、多くの場合関連法規の検討や専門家のアドバイスが必要となります。そのため、本文書の著者及び所属先は、本文書の掲載内容に基づいて実施された行為の結果、並びに誤情報及び不備については責任を負いかねますのでご了承ください。

 2014年8月

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