タイの石油化学企業の最大手 工業用潤滑油事業の拡大目指す
タイで生活していると至る所で目に入る、青と赤をベースにしたロゴ。タイで天然ガス、石油関連事業を手掛けるタイ石油公社(以下、PTT)は1978年の創立。今では年間2兆バーツ近い売上をあげ、タイ証券取引市場(SET)においては時価総額最大企業でもある。大手経済誌フォーブスの世界有力企業2000社ランキング(グローバル2000)の2017年版でも、タイ企業のトップ(190位)にランクイン。近年、海外進出にも力を入れ、2016年には日本の福島県に参加のカフェチェーン店「アメィゾン」をオープンさせている。数多くの関連会社を持ち、幅広く事業を展開。その中の一つに、自動車用などの潤滑油事業があり、工業用製品にも力を入れている。
PTT Lubricantsブランドで展開 自動車用から各種工業用まで提供
PTTの潤滑油事業は、「PTT Lubricants(ルブリカンツ)」のブランドのもとで、製品の製造、販売が進められている。PTTのイノベーション研究所が研究開発の源泉として働いている。製品は国際水準をクリアしており、一般の自動車用から工場などで使用される工業用まで各種の業務使用のニーズに応える多種多様な製品を提供している。産業界のどんな領域でも使用できる充実した品ぞろえを誇り、販売代理店および小売店、PTTのガソリンスタンドおよびスタンド内外のFIT自動車サービスセンターらによって全国的に販売網を展開している。「ムービング・イノベーション」のコンセプトのもと、研究開発と技術革新を継続している。国内市場のシェアはトップを独走、同時にまた海外市場でも伸ばしており、世界40カ国あまりに輸出している。国際的に通用するタイ・ブランドの雄である。
PTTのブラニン・ラタナソムバット潤滑油事業担当副社長は「当社は30年以上、潤滑油の製造、販売を続けております。製品は競争力が高く、潤滑油は用途に特化して多様化していますが、どんな種類でも常に高品質をめざして開発が進められています。すなわち砂糖産業、鉱山業向けなどは、高温に至る機械設備を保護するための特殊仕様の潤滑油、グリースでなければなりません。しかも廃油が残らない品質が要求されます。その点では最新の設備を誇るイノベーション研究所が、各種の潤滑油を常に比較研究しています。東南アジアの気候条件に合った製品、地域諸国の支持を得られる製品、製品自体の使い勝手、効率性の向上をめざし、各種のニーズに対応し品質を上げる成分を加えるDDLブースター技術の応用などを研究し、顧客の機械整備を効率よく、かつ寿命いっぱいまでフルに動かすための製品を開発しています」と語る。
ブラニン氏によれば、PTTは長年、タイで潤滑油市場のトップのシェアを占めており、現在のシェアは39%という。PTTの潤滑油全体の売上を用途別に見ると、自動車向けが60%、工業用が40%となっている。また輸出は年率15%増が目標で、国内は50%。また熟練者から成るPTTルブ・ソリューションの専門チームを編成しており、エンジン関連の不具合に対する分析、アドバイス、問題解決を推進する。販売ルートを通じてソリューションの顧客も増やしている。
切削工程用PTTハイカットなど開発 PTTスチールクールW01は圧延に最適
ブラニン氏は「特に工業セクターの顧客と手を組んで、より効率的な潤滑油開を開発し、顧客のニーズを的確に満足させるのがPTTの基本的な姿勢です。高品質な製品を適正価格で提供します。将来、PTTの潤滑油の割合は工業向けが50%に達するでしょう。同時にまた海外の輸出市場も拡大を続けます。PTTブランドを地域のトップ・ブランドに押し上げるのが当面の目標です。現在、PTTブランド潤滑油は世界40カ国余りで販売されています」と話す。今年1月からは、日本でもスムース・ジャパン(神奈川県川崎市、野波幸伸社長)が自動車用潤滑油などの販売を開始している。
PTTルブリカンツでは、特に金属加工向けを中心に、例えば切削工程用の「PTTハイカット」が開発され、切削工程で生ずる高温を冷ます潤滑油として工場で歓迎されている。また新製品の「PTTスチールクールW01」は、金属加工工程の高温を冷ます高品質の潤滑油として発売されている。ワーク表面の防錆効果を高める成分が混合されており、鋼鉄コイルの圧延に特に適している。
このほかにも工業向けの潤滑油を多品種生産。劣化を防ぐ成分を混合した工業用ハイドロリック潤滑油、ハイドロリック・システム内での膠着を発生させない潤滑油、機械設備の機能の劣化を防ぐ特にギア・システム用の潤滑油など、ベーシックな潤滑油からさらに開発が進んだ合成ハイドロカーボン潤滑油があり、これは最新技術により開発された破壊的な圧力に耐える特殊仕様です。歯車表面にミクロ・ピッティングが発生するのを防ぐ効果がある。同時に高温による設備の劣化を防ぐ。
「PTTはタイの一流企業として、常にイノベーションの開発、導入を進めています。顧客のニーズに応える製品の創造を進め、顧客満足度を高めるのが基本的な方針です。高品質、適正価格が経営の焦点です。どの種の製品もそれぞれ競争力が高く、また製品を売って終わりというのではなく、質の高いアフターサービス、関連サービスに力を入れていきます」。ブラニン氏は最後に語った。
会社情報
会社名 | PTT PUBLIC CO., LTD. |
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住所 | 555 Artnarong Rd., klongtoey, Bangkok 10260 |
お問い合わせ先 | Tel:02-239-7847 E-mail:pttlubricants@pttplc.com URL:https://pttlubricants.pttplc.com/ |
担当者名 |