泰日工業大学 ものづくりの教育現場から

第96回 『開学14年目のTNI学部・修士課程』

タイでのものづくり教育を進める泰日工業大学(TNI)の例をもとに、中核産業人材の採用・育成について検討します。5月号でお知らせしましたが、TNIも新型コロナウイルス緊急事態宣言発令で、登校禁止になり、オンライン授業を余儀なくされましたが、幸い4-5月は夏季休暇の時期で、夏季特別コースなどが影響を受けましたが、6月半ばに新学期がスタートしました。この時は、オンラインでしたが、ご承知のようにタイ国内の状況は良くなり、7月からオンラインと登校のハイブリッド授業になりました。大体8割の学生は登校して授業を受けています。  本号では、開学14年目となるTNI学部・修士課程の変化を紹介させていただきます。下記の通り、この14年でも、最初はタイ語だけのコースから、日本人や近隣諸国の学生向けの英語での国際コースが新設されるなど、かなりの変化が見られます。なお毎年8月に行われる大学祭は中止で、一方学生と各会社との出会いの場であるジョブフェア―は2021年1月20日を予定しています。

筆者:吉原秀男(Yoshihara Hideo)泰日工業大学(TNI)学長顧問

学部・修士課程の変化と特徴
・第1図の通り、2007年度は、3学部4学科1修士課程433人の学生で開学しました。 ・2014年度から在学生4, 000人を超える規模になる一方、最近の少子高齢化で学生数がやや減少しています。
・卒業生は、2009年修士課程8人が初めてで、学部は2011年224人(教育年度は、2010年度)が第1期で、現在までに6,500人を超えます。
・2018年度は英語で実施する国際プログラム3課程を新設し、近隣諸国や日本からも留学できるようになりました。
・2019年度入学生は1,203人で、2020年度はこの人口減とコロナウイルスの影響を受け、約900人の入学生になりました。
・2020年度現在、学部では工学部6課程、情報技術学部5課程、経営学部9課程の合計20課程、修士5課程で、在学生は3,800人です。

・各課程の名称・学生数は、2図をご参照ください。
・修士課程は土日や平日夜間履修など、社会人にあった設定がなされています。大学院では、日本の大学院との交換留学による単位取得も可能です。また年間200人を超える学生が、インターンシップや交換留学生制度、夏季休暇などを利用し、日本で日本企業体験、日本語や日本文化等を学習する機会に参加します。

20年9月8日掲載

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