日本品質のユニフォームをタイで提供

ラオス工場からの直販でコストダウン

ユニフォーム製造で知られる株式会社トミナガ(本社名古屋市守山区)のタイ法人がバンコクにあるトミナガトレーディング(Tominaga Trading Co.,  Ltd.)。2011年1月にタイに進出し、タイ側が51%の資本を保有。翌年1月にはラオスの首都ビエンチャンにラオス工場(Tominaga Lao Co., Ltd.)を設立している。トミナガの富永和弘(とみなが・かずひろ)社長がタイとラオスの社長も兼務し、毎月、日本、タイ、ラオスの3カ国を回りながら経営に当たっている。

 

日本人工場長率いるラオス生産

生地の染色カラーも選択可能

 

トミナガは1975年9月に名古屋市の富永白衣から独立したのが始まり。愛知県江南市にトミナガユニフォームとして設立され、ユニフォームの企画・製造・卸・販売、繊維製品の輸入を始めた。1977年9月に江南市に株式会社トミナガを設立、1998年10月に名古屋市守山区苗代に新工場・本社を設立している。現在はタイのバンコクに本拠を移し、活動している。

製造販売している主要製品は作業服、レストラン、ビルメンテナンスのユニフォームをはじめ食品工場白衣、静電服、難燃服など。「良質な製品を低価格で」をモットーにコストパフォーマンスを徹底的に追求しており、その一環として不良品の追放に力を注いでいる。

生産拠点であるラオス工場は富永和弘社長による独資形態で設立されており、メードインラオスのユニフォームとして日本に輸出してきたが、2016年1月からはタイに進出している日系企業向け販売も開始した。生地の染色カラーも選べ、着心地が良いユニフォームが短納期で生産できるとあって、評価が高まっている。

タイ国内販売を開始したのは、ASEAN(東南アジア諸国連合)域内での関税が撤廃されたため。タイで操業している日系のある大手電子部品メーカーでは、ユニフォームの品質が悪くて困っていたが、トミナガトレーディングに注文を切り替えたことで問題が解消。追加注文も入り、これまでに同社最大の得意先となっている。

バンコクのトミナガトレーディングと頻繁に連絡を取り合っているラオス工場には3ラインがあり、1ラインに50~70人、計200~250人のラオス人社員が主に縫製を担当している。同社に限らずラオスの製造業では転職が多いことが進出企業にとっての悩みとなっている。熟練技能者が育ちにくく、カンボジアなどでの日系ガーメント工場などと同様、トミナガのラオス工場には日本で研修した中国人の縫製指導員がラインに張り付き、ラオス人従業員の指導をしている。日本人の監督者も常駐している。

ラオスに工場進出する前、トミナガでは中国江蘇省の南通市郊外に委託加工工場があった(すでに関係解消)。その工場にいた優秀な日本人が去る8月末に工場長としてラオスに着任している。

トミナガが東南アジアの中で進出先としてタイを選んだのは、周辺国に比べて圧倒的にインフラが良いため。ミャンマー、ベトナムなどへの進出も検討した中、ラオスに工場設立を決めたのは、労働コストの安さとラオス人特有の素直さを評価したため。

 

 

タイの日本食レストラン

日本の本社工場向けも狙う

 

トミナガトレーディングではユニフォームの販売先をバンコク近郊から始めこれまでにアユタヤ、チョンブリに加えてラヨーンへと広げてきている。ユニフォームの仕入れ担当者とフェースtoフェースのミーティングを重ねてデザインを決定していくが、「工場側がタイ人女性である場合、細かいことまでこだわられるので、最終決定まで時間がかかることが多いですね」と営業に飛び回る伴藤修久(ばんどう・のぶひさ)氏。

「新しいユニフォームを必要とされている工場が我々と直接ビジネスを構築してもらえれば、商社経由に比べて格安で仕入れられることを知った顧客から高い評価を得ています。実際、日本から商社経由の輸入と同じ品質で大幅なコストダウンができました。工場と直結している直販を行っているからです」と伴藤氏は語る。タイの既存の日系顧客からその会社の日本本社の日本工場向けのユニフォームを受注することも狙っており、「現在3~4件の商談が進んでいます」と伴藤氏。

さらにタイ市場拡大の一環として、日本食レストランからの受注を狙い始めた。タイの日本食レストランは全国で3,000店を超え、バンコクにその半数が集まっているとされる。トミナガトレーディングではこの大きな市場に着目して、日本食レストラン向けユニフォームの本格販売も2018年から開始した。それまでも例外的に日本で製造してハンドキャリーでタイに持ち込んだことがあるが、ラオスの工場での生産、本格販売を始めた。

ラオス工場で使用する生地は主にタイから輸入しているが、ポリエステル生地に関しては台湾から輸入して縫製している。ポリエステル65%、綿35%の生地も注文が多い。生地の表がポリエステルで裏が綿といった生地は日本から輸入している。

 

 

製品はクオリティ重視

日本と同等品質を提供

 

品質重視のユニフォーム作りを鉄則にしているため、「タイのローカルメーカーと同等もしくは低い価格を求められるお客様へのご対応が難しいです」と伴藤氏。ユニフォームの生地のカラーの染色は定番に限らず、特注、オリジナルのカラーにも対応している。顧客各社の色の希望データをビーカーテスト(最初のサンプル)での生地データからデジタル保存して、次回からの注文にすぐ対応できる体制を取っている。

トミナガトレーディングの常勤スタッフは7人で内2人が日本人。荒尾眞一郎MDとともにタイで日系企業の営業に飛び回る伴藤氏は「これまでに日系顧客様数が50社ほどになりましたが、なるべく早い時点で倍の100社にすることが私の目標です」と言う。伴藤氏は現在28歳の若手。すでにタイ人のパートナーがいて2年前に入社した。

今回の主な取材のテーマは「トミナガトレーディングのタイ市場拡大策」。営業担当の伴藤氏が中心にインタビューに応じてくれたが、全ての質問にメモも見ずに即答してくれた。同席していたマーケティングプラニングマネージャのSupakit(愛称ギャップ)氏は以前、日系大手商社系の靴メーカーで働いていたが、その工場がベトナムに移転したことに伴って退職し、トミナガトレーディングに入社した。「ユニフォームは今後の市場が大きく魅力的な製品で販売はやりがいがある」と張り切る。

荒尾MDは「弊社製品はタイ国内では決して安くはありません。ローカルのメーカー様より安くはできません。現在、お取引をいただいているところは価格で弊社を選ばれたわけではなく、『品質を価値』と認めていただき、弊社とお取引していただけていると考えています。最近は、日本本体(本社・工場)のユニフォームをタイで調達するお話しをいただくようになってきました。これは、日本と同程度の品質の物が、日本で購入するよりずっと安価で購入できるためで、『日本と同等の品質』を認めていただけているものと喜んでいます。弊社では日本人パタンナーが型(パターン)を起こし、(日本の)CADシステムで型を管理、データ化しているため、年月を経てもサイズが変わることはありません」と先の伴藤氏の説明を補足した。

会社情報

会社名 Tominaga Trading Co., Ltd.
住所 22 K Building , 4th Floor (4/1) , Soi Sukhumvit 35, Klongtoey-Nua , Wattana , Bangkok 10110
お問い合わせ先 Tel:02-023-4216 Web:www.cosmowave-tech.com
担当者名 荒尾 Mobile:092-385-7848 / E-mail:tominaga.arao@gmail.com
伴藤 Mobile:095-772-5827 / E-mail:tominaga.assistant4@gmail.com
Gap Mobile:082-469-3984 / E-mail:tominaga.assistant3@gmail.com
  • Facebook
  • twitter
  • line

関連記事