タイ版 会計・税務・法務

【第66回】 税制改正の動向について

Q:タイで税制の改正が進んでいると聞きましたが。

A:現行政権のトップであるプラユット首相・陸軍司令官が今年9月12日に行った施政方針演説の中で相続税・固定資産税の導入を明言する等、新税制の導入、並びに既存税制の変更の動きを進めています。

地元紙等からうかがい知れる新税制導入の動向は、以下の通りとなっています。

項目 現行 新税制案
相続税 なし 受贈者に対する課税が発生。(資産相続時、あるいは寄贈者が死亡する2年前以内に移管された資産があった時)。

税率は、資産価値5,000万バーツまでは非課税とし、5,000万バーツを超えて2億バーツまでの資産については10%、2億バーツを超える資産については20%

贈与税 なし 税率は、資産価値1,000万バーツまでは非課税とし、1,000万バーツを超えて4,000万バーツまでの資産については10%、4,000万バーツを超える資産については20%
固定資産税 なし 土地・建物評価額を計算基礎として課税。

税率は、評価額の0.05%(農地)、0.1%(住宅)、0.5%(商業・工業施設)

また、既存の税制の改正動向の中で主なものは、以下の通りとなっています。

 

項目 現行 改正案
VAT 7% 10%(2015年10月~。ただし、漸進的な引き上げも検討されているとのこと)
個人所得税 LTFの購入額が所得控除に使用可能 LTFの購入額は2016年以降所得控除不可

いずれも、これからの動向に注目していきたいところです。

 

なお、本文書は一般的な検討を行ったものであり、個別のケースで問題が発生した場合には、多くの場合関連法規の検討や専門家のアドバイスが必要となります。そのため、本文書の著者及び所属先は、本文書の掲載内容に基づいて実施された行為の結果、並びに誤情報及び不備については責任を負いかねますのでご了承ください。

 2014年11月

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