タカハシ社長の南国奮闘録

第72話 リズムを味方につける

商いにはリズムが大切だ。天分と同じく、人にはそれぞれ自分のリズムがある。

四柱推命からなるリズムは千年以上も昔から、軍師による戦略に用いられ、現在は形を変えて身近なところで活用できるようになっている。

私がこれを用いるようになったきっかけは、うまく軌道に乗らないタイ工場を閉鎖するか迷っていた時、リズムをよく知る先輩社長が、私の前後のリズムをズバリ言い当て、的確なアドバイスをくれたことだ。そのアドバイスのおかげもあって、その後、タイ工場を軌道に乗せることができた。

成功する人たちは皆、見えないリズムを無意識のうちに感じて生かしている。起こりそうなことを察知して難を逃れ、チャンスの時にはしっかりその波に乗ることができる。今の判断、決断、行動は、10年後の自分に繋がっているのだ。

基本的な時のリズムは10年、10ヶ月、10日の周期だ。10年前に起きた出来事を思い返して年表を作ってみると、その周期で本質的に同じような事が起きている。

周期の流れは、芽が生える独立期(独立・放出)、茎へと育つ成長期(保守・破壊)、花が咲く発展期(奉仕・発展)、実がなる完成期(転換・信用)、枯れて土地をならす充足期(迷い・反省)の大まかに5つのカテゴリーがあり、各2年のサイクルで流れている。今のあなたはどこに当てはまるだろうか。

私の場合、大きなターニンポイントは成長期にあたる来年の49歳の年周り。19歳で工場で働きはじめ、29歳で修行を終えてテクニアに就職、39歳でタイへ本格進出、そして来年49歳になる。私にとって大きな転機が来ることが予測できる。

独立期の年は26歳で、修行のためイギリスに転勤、36歳でVRテクノ工場竣工とタイ進出、46歳で郡上工場落成とアメリカ進出。

こうした自分のリズムを誰もが持っている。その生まれ持った天分とリズム、そして生まれ育った環境や経験などにより培われた器が重なり、その人の個性となる。その個性によって人は判断し、決断し、行動する。

私はこのリズムを事前に捉えて、自分の経営スタイルや判断するタイミングを客観的に把握することができている。まだまだ最大限に活用できているとは言えないが、自分らしい経営スタイルは保てているのではないかと思っている。

高橋 弘茂
名古屋市中川区の精密加工部品メーカー『TEKNIA』の4代目。1969年愛知県生まれ。1989年に同社の前身『高橋兄弟鉄工所』に見習い入社。現場経験を積んだ後、『Yamazaki machinery UK ltd』などを経て2001年8月『タカハシテクニア』代表取締役就任。現在はVITPROJECT (THAILAND) アドバイザーを勤めるほか、マネジ個性学コンサルタント(セミナー開催)なども手掛ける。
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