コロナ禍での需要変化を見据え 「従量課金型カーリースサービス」開発をサポート 現場の声に応える「5Gスマートグラス」の導入提案も
タイを中心に東南アジアでGPSを活用した車両運行管理サービスやSMSを使った社員とその家族向け一斉連絡サービス、IoTソリューションなどを展開している日本の通信大手NTTドコモのタイ法人であるモバイルイノベーションが、コロナ禍の昨今、顧客の課題解決に向けた新たな展開を見せている。
7月下旬より開始した大手リース会社のタイ法人が手掛ける業界初の従量制課金型サービスへのGPS機能の提供と、5G回線を活用した現場作業向けスマートグラスの提案だ。いずれも、長期化するコロナ禍で現場で苦戦するお客さまの声に耳を傾け、「顧客のニーズと課題に真摯に向き合いたい」。その思いをサービスという形でお届けする、NTTドコモグループの揺るぎない取り組みだ。
発端は、モバイルイノベーションがかねてより営業連携しており、東京センチュリーのタイ法人として自動車リースを手掛けるTCカー・ソリューションズの顧客の何気ない一言だった。「コロナ禍で車を使わなくなったのに、高額なリース代はそのまま。何とかならぬか」。TCカー・ソリューションズは、早速モバイルイノベーションに相談を持ち掛け、同社が得意とするGPSを活用したサービスの共同開発に着手、結果、生まれたのが新しいリース契約のスタイルだった。
新たなリース契約では、毎月定額のところを実際に走行した距離に応じてリース料金を算出。一定距離までならリース料が割安となる仕組みを作った。月間500キロ走行分までを基本料金とし、それを上回る走行距離分が加算分の変動リース料となる。基本料金は通常のリース契約と比べて約15%安い価格に設定されている。
加算分となる走行距離の算出には、モバイルイノベーションが得意とするGPSを活用。通信費のほか、メンテナンスや故障修理、自動車保険の各費用などもリース料に含まれている。コロナ禍のテレワーク推奨で車の使用頻度でもめっきり少なくなった昨今。需要の変化に機敏に対応した新サービスで、知名度と存在感の向上を目指す。
スマートグラスを使ったソリューションの提案も、コロナ禍での副産物だった。国境を跨いだ出張の自粛や水際の検疫隔離などで自由な移動がしにくくなった昨今のビジネス環境。これにより早々に現場の業務品質に影響が出はじめたが、いつまでも滞らせておくわけにもいかない。そこで考案されたのが、遠隔地にいながらにして現場にいるかのような映像を関係者で共有できる新サービスだった。
機器は100%音声操作に対応したハンズフリー対応で、ヘルメットに装着可能。人間が目視したシーンをそのまま映し出すことができる。これにより現場に不在であっても、同じ情報を共有することで業務品質の維持、スキルトランスファーが可能となった。主要アプリにも対応し、イメージは「かぶるタブレット」に近い。
同社はこれらに続いて、現場を遠隔地からリアルタイムで複数人が360度俯瞰できる新サービスの提供など、今後も切れ目なく提案を続けていく方針だ。通底するものはただ一つ。「最先端の技術をソリューションという形で、お客さまに安心と安全をお届けする」という社是への変わらぬ想いだ。モバイルイノベーションは、これからもお客様の声に5G関連ソリューションで応える取り組みを、加速していくようだ。
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2021年9月1日掲載