TVPバルブ&ニューマチック社は、ドイツや日本からの高品質の工業用ニューマチック機材の販売会社として知られている。1991年に設立され、現在、販売先は自動車、プラスチック、テキスタイル、化学、金属、印刷、飲料、薬品などの各部門にわたる。

PISCO、GEMUの製品をラインナップ

同社で技術サポートも兼ねる販売部長のワサン・フタプラピン氏は「当初は各工業分野でニューマチック機材を調達する仕事を始めました。主に外資メーカーのスペアパーツ、メンテナンス関係の仕事です。その後、ドイツのバルブメーカー大手GEMUから販売代理店の指定を受けました。ちょうどタイ市場でニューマチック機材を売込む波に乗りました。また日本のPISCOのタイ市場での代理店にもなりました。そして当社の事業がバルブ制御プロセスと、ニューマチック機材とソリューションの大きく2つに分かれました」と語る。

バルブ制御プロセスの事業は排水・排気・蒸気の処理システムの装置から、運搬・混合・添加・充填の製造工程までを包括する。具体的にはスペアパーツ、メンテナンス関係のバルブシステム（ボール、バタフライ、玉形弁）、ダイアフラム（オン・オフ、統制）、プロセスセンサー（温度、圧力、流れ）、コントローラ（位置決め装置、PIDコントローラ）などの調達。今では研修の実施、コンサルティング、適切な機材の選択などの各種サービスも提供している。食品、飲料、薬品、テキスタイル、化学、金属などの産業を得意とする。

またニューマチック機材とソリューション方面の事業では、各工場のハード面の自動化をカバー。摘み、握り、引上げ、加圧、引っ張り、押し、揚げ、置くなどの細かい作業の自動化を提案している。自動車、プラスチック成型、プレス部品、セミコン、テキスタイル、エレクトロニクスなどが主な対象。

「摘んで、つかんで、置くなどの細かい作業は、かつては大人数の人手に頼っていました。箱詰めの作業もそうです。それが人手と機械が作業を分け合う半自動化システムに変わりました。オートメーションの進行です。当社もスペアパーツ、メンテナンス関係の調達から、現在ではオートメーションの研修、コンサルティングなどのサービスを充実させています。ファクトリー・オートメーションにおいては、４つの分野で進めています」。

第1にアクチュエータ（作動装置）。すなわちエアシリンダー、ロッドシリンダー、電動アクチュエータ（リニア・アクチュエータ）。第2にエアサービスユニット。粉塵を取り除き、除湿する空気清浄化機材だ。同社の取扱商品はメカニック・オートドレーン、タイマーオートドレン、エアフィルター（30、10、5、0.3、0.01ミクロン）、エアルブリケータ（ナノミストオイルを40メートル先に送る）、エアドライヤー（露点温度-25℃、メンテナンス要らず）など。対象となるエアはメインラインでも各ポイントでも使用可能。

第3にアクセサリ。エアチューブ（ポリウレタン、ナイロン、SET、SFT、ポリアミド、バキュームチューブなど）、フィッティング（ワンタッチ継手、ねじ込み・プッシュ、ブラス、ステンレスなど）、スピードコントローラ（標準、直列、真鍮、ステンレス、クッション機能付きなど）、エアディストリビューションブロック（アルミニウム、ブラス、ステンレス）。

第４にバキューム機器。すなわちバキューム放出器（インライン、吸入変換可能、ベーシック）、バキューム発生器（バーシックからの開発型で吸引ソレノイド・バルブ、バキューム・フィルター、バキューム・スイッチなどの付加が可能）、バキューム・ポンプ、バキュームパッド（前面はゴムで各種のワークを引き寄せる、標準、ビロウ、折り畳み式、ミニチュア、オイル・プルーフ、超薄型など）、バキューム・ホルダー（バキュームパッドを固定、ショート、ロング、ばね付き、ソフトばね、ミニチュアなど各種のタイプ）。

適切な商品提案で工場の効率化をサポート

ワサン氏は「製品は分野ごとに特徴があり、当社が販売するアクチュエータについては世界に冠たる欧州ブランドで作動効率が良く、堅牢で長持ちします。エアシリンダーは大小にかかわらずクッションを内蔵。タイ国内にパーツをストックして3～5日以内に配達できます。ロッドシリンダーはステンレス製のインナー/アウターのバンドがあり、高温でも低温でも、高速でも超低速でも使用できます。プラスチック製やゴム製のインナー/アウターのバンドがある市販のロッドシリンダーに見られる、資材に起因する問題は発生しません。2～3週間以内に配達できます」と語る。

また継手は圧搾空気が流れる導体となり、アクチュエータ機材またはバキューム機器に圧搾空気を流す。空気漏れという問題は、空気管や継手に破損がなくても、低品質やシールが密着していないと空気漏れの問題が起こる。ユーザーには問題が見えない。

「空気清浄化のコスト、空気の無駄、漏れなどコスト増で気が付くことになります。また機械の作動中に継手やエアチューブに不具合が出ます。修理が必要になり、継手の部品を交換しなければなりません。そのコストは継手やエアチューブなどの本体の価格だけではなく、作業のスローダウンまたは停止時間分の損失が出ます。当社が扱うPISCOの製品は、エアチューブ用の最良の継手と言えます。試験で空気漏れの出たためしがありません。空気漏れに起因するエネルギーの無駄を未然に防ぎ、作業のスローダウン、停止も防ぐことができます。また、エアサービスユニットはどのブランドも性能がほぼ同等です。フィルターの交換、オイルの注入をいつやるかについてのモニター機能に微細な違いがあるだけです」とワサン氏は話す。

バキューム機器はどのブランドも性能にほぼ違いはないという。ただバキュームアプリケーションのチームの能力に限界があるとする。「当社の強みは、問題分析能力とコンサルタント能力です。例えばラベルが貼られた180グラムのビンは横からつかむべきですが、これを一度に24個つかむためには、バキュームパッド、ホルダー、ジェネレータのスペックに合ったものを選択しなければなりません。これが適正なら圧搾空気のコストが10％節減できます」。

同社はBtoBのマーケティング戦略による目標を立てた。店頭置きの形で工業団地内のパートナーと連携して充実した配送を行う。販売ルートの多様化を図る。メーカーと顧客の距離を一気に縮める。

「現在、PISCOの市場シェアはわずか1％です（各ブランド合わせて3％）。PISCOの目標は3～4％。今年は前年比10％増を当社は目指します。PISCOはニューマチック、圧搾空気関連機器の優れたメーカーです。すべての製品は日本で製造され、どの製品も高品質で信頼性は抜群です。堅牢で耐久性があり、生産工程で組付けられる他の機材を含めて全体の機構を長持ちさせます。当社の長年の経験によって、お客様の業務の特質に合った適切なコンサルタントにより、工場において最高の効率を実現してください」とワサン氏はアピールする。

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