METALEX 2022は2正面作戦で出展 新しい付加価値の提供で市場の活力を取り戻す

工作機械大手・高松機械工業(本社・石川県白山市)のタイ法人TAKAMATSU MACHINERY (THAILAND) CO., LTD.(高松タイランド)が、11月16日からバンコク東郊の展示場BITECで2年ぶりに開催される「METALEX 2022」に出展し、新しい付加価値の提供にチャレンジする。5月下旬に実施したプライベートショーで、ロボットメーカーと実施したコラボ出展が予想以上の反響となったことが大きく影響した。斬新なアイデアとこれまでにないコラボレーションで、コロナ禍で疲弊した市場の活力を取り戻す戦略だ。

■「顧客に選択してもらう」

高松タイランドはMETALEX2022に従来と同様、200平方メートルのブースを構え出展する。これまでは主力として特定の1機種を正面に据え、他の多機種でこれを取り囲む体制だったが全面的に改める。2つの主力マシンを正面に向かい合わせ、「顧客に選択してもらう方式に切り替える」(山下 英二Managing Director)。「2正面突破作戦」は、同社としては初めての試みだ。

1機種目は、産業用ロボットメーカー、FANUC社のタイ法人と企画したコラボ展示。タカマツ社製の主力最新鋭コンパクトCNC旋盤「XT-6」に、FANUC社製のロボットアームを装着させる。会場では公開デモも実施。来場客に「可能性」という付加価値を提供する計画だ。

2機種目は、こちらもFANUC社製制御によるコンパクトローダを搭載した「XT-6 FC60ローダ」の展示となる。すでに日本では2021年に販売を開始しており、今後量産市場として期待されるタイでいち早くお目見えさせる。

今回は2正面作戦を採るが、従来までの出展体制に不足があったわけではない。だが、2年半あまりのコロナ禍は、工作機械市場にも深刻な影響を与えた。日系など自動車産業界は弱含みとなり、わずか1年2年先が見えない。ローカル市場はエアコンなどの家電や建機、農機などで元気があるものの、同様にその先は十分見通せない。新しい付加価値を提供することで、業界や従来の垣根を超えた展開の可能性を提案する。それが今だと考えている。

■原点は5月のプライベートショー

その原点は、5月26~27日にかけて自社倉庫内で実施したプライベートショーにあった。コロナ規制がいまだ残る中、万全の感染防止体制で実施した展示会に予想を超えた人々が集った。関心の中心となったのはタカマツ社製6インチチャック搭載のシンプルマシン「GSL-10H」と、同様にFANUC社が提供した協働ロボットのコラボ展示。「需要は確実にあると実感した」と山下MDは振り返る。

FANUC社とのタイにおける共同出展も、その時が初めてとなった。「なかなか出会いがなかったところ、ふとしたことがきっかけとなって…」と同氏。予想を超えた反響に可能性を感じた。METALEX 2022では、日本の本社から髙松喜与志会長ら経営幹部も参加の予定だ。2つの主力マシンのほか、計測器や精密エアチャックなどを搭載したタイプも展示する。「機械単体の出展ではなく、付加価値が求められる時代に変わっていく」。それが体感される場になると予感している。

TAKAMATSU MACHINERY (THAILAND) CO., LTD.
BANGKOK HEAD OFFICE: 888/59 Moo 9, Bangpla, Bangplee, Samutprakarn 10540 Thailand Tel: +66(0)2-136-7831~3
EASTERN SEABOARD BRANCH: 848/14 Moo 3. Tambol Bo Win, Amphur Siracha, Chonburi 20230 Thailand
山下(Mr. Yamashita) Mobile: +66-(0)81-924-3004 Email: yamashita@takamaz.co.jp

2022年11月3日掲載

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