Hola! メキシコ日系進出通信
第7回 メキシコの医療事情などについて
今回はいざというときに重要となるメキシコの医療事情を主としてお話しさせていただきます。
・医療水準について
メキシコ医療の水準は、都市部の私立病院であれば日本と比較しても遜色ないほど、設備の整った病院もあります。しかし、予算不足の病院では医薬品の不足や設備の老朽化などの問題で、十分な治療を受けられない場合もあります。また英語や日本語を話せる医師は多くありません。一部、日本人や日本語を話せる看護師が常駐する病院もあるので、駐在員及び家族の方でスペイン語が流暢でない場合は、そちらを利用することが無難だと言えます。
・医療保険制度と出張者(非居住者)の保険について
メキシコの医療保険制度は以下の3つの制度となります。
- IMSS(社会保険庁)・・・民間正規労働者(自営業でも保険料を納付すれば
加入可能)のための公的医療制度
- ISSSTE(公務員社会保険庁)・・・公務員や石油会社などの国営企業、軍隊に所属している方々のための公的医療制度
- Seguro Popular(民衆保険)・・・非正規労働者や農業従事者など、上記2つの社会保険制度対象外の国民約5,000万人のために政府が導入している保険制度(2004年から本格的に開始)。
出張者(非居住者)の保険については、日本の健康保険制度で海外療養費支給制度が適用できます。条件は複雑ですが、日本の健康保険の対象となる治療で、かつ認定を受ければ、メキシコで支払った治療費の一部払い戻しを受けることができます。※こちらはメキシコ居住者であっても、日本の健康保険も引き続き加入している場合は同様に払い戻しを受けることができます。また海外旅行傷害保険やクレジットカード付帯保険の内容を把握して活用できるようにしておくことも肝要です。
・緊急時について
緊急時については日本と同様に救急車が存在します。但し、救急車センター、赤十字、民間保険会社、私立病院など問合せ先が複数存在するため、事前に物理的な距離の近さやサービスの観点などから問合せ先を決めておくことが必要です。救急車は基本的に、公的機関が無償、私立病院は有償(実費負担)となります。しかしながら、自家用車や
タクシーで直接病院へ搬送する方が確実で結果的に早いケースも多いです。
・豆知識
メキシコでは、明らかな重病や事故に遭ったときなどを除いた、緊急ではない場合、
先ずは薬局に(薬局はスペイン語でファルマシア“Farmacia”)行くことが一般的です。
理由としては大きく2点です。
- 病院での待ち時間の長い点(数時間で済まないこともしばしばです)
- 薬局に医師が常駐していて、無料相談と薬の処方をしてもらえる点
メキシコ中央高原のバヒオ地区は、
・標高2000m前後の高地
・乾期であれば極度に湿度が低く乾燥
・工業地帯であれば砂埃が酷い
日本との差異も含めて体調を崩しやすい要素がありますので、不測の事態に備えておくことが大事です。次号では、ホテルや住居などについてご紹介させていただきます。