泰日工業大学 ものづくりの教育現場から
第50回 『ウエブサイト利用の注意・第4次産業革命』
タイでものづくり教育を進める泰日工業大学(TNI)の例をもとに、中核産業人材の採用・育成について検討します。今回は、前号に続き、ラッティコンTNI情報技術学部長の講演内容『デジタル時代のICTの役割』から、「ウエブサイトを使用する際の注意、IoTとインダストリー4.0、TNI情報技術学部」を紹介します。誌面の関係上、前号の「タイにおけるインターネット使用とソーシャルネットワーク、デジタル・マーケティング」もお読みいただければ幸いです。またデジタル時代のICTの人材育成を担うTNI情報技術学部の学習内容も紹介させていただきます。
ウェブサイトを使用する際の注意
- 偽のウェブサイト:下記のようにフェースブック登録・再登録の際、偽のウェブサイトがあるので注意が必要。
- https://www.google.com 左のウェブは、S=Securityがついていて安全証明付きウェブサイトといえる。オンライン・ショッピングでは、支払いページで、このSがついていれば安全。
- またウェブサイトの信頼性と安全性を保障するETDA(タイ情報技術省電子取引開発庁)のhttps://www.trustmarkthai.com/index.php/en/で、安全保証確認することをお勧めしたい。
Internet of Things (IoT) とインダストリー4.0
- Internet of Things (IoT) は、様々なモノがインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み。IoTサービスの代表的な会社はAmazon、AT&T、Bosch、Cisco、Google、IBM、Microsoft、Oracle、Intelである。なおユーチューブのInternet of Things explained simply.mp4などをご参照ください。
- インダストリー0は、ご承知のように第4次産業革命と言われ、ドイツにおいて「製造業」の様相を抜本的に変え、製造コストを大幅に削減することを目的に始まる。図のように、第一次産業革命は、蒸気機関を動力として、機械加工生産設備を導入、第二次産業革命では、電力で労働力分離と大量生産を導入、そして第三次産業革命では、電子、ITシステムで生産の自動化をさらに推進。ユーチューブのIndustry 4.0- Integrated Industry reaches the next level.mp4などをご参照ください。
- インダストリー0は、生産工程のデジタル化・自動化・バーチャル化のレベルを現在よりも大幅に高めることにより、コストの極小化を目指す。その主な要素としては①ビッグデータ利用の品質管理、②ロボットによる生産、③自動運搬(搬送)、④革新的シミュレーションによる生産ラインの最適化、⑤スマート供給ネットワーク、⑥機器故障前修理などの予測保全、⑦機会とサービスの一体販売 である。
TNI情報技術学部紹介
TNIは、このIoTおよびインダストリー4.0を担う人材を育成している。TNI情報技術学部は次の3つの学士課程と1つの修士課程からなる。
- 情報技術学(IT学士課程の主な学習内容):ソフトウエア開発、プロムラミング技術、データベース管理、情報システム分析・設計、ネットワーク管理、有線・無線通信
- マルチメディア技術学(MT学士課程):デジタルコンテント、グラフィック包装設計、ウェブ設計・開発、コンピュータ・アニメ、ゲーム開発、モーバイルアプリ開発
- ビジネス情報技術学(BI学士課程):ビジネスシステム分析、ビジネスソフト開発、情報システムコンサル・評価、組織戦略計画、オンラインマーケティング
- 情報技術学(修士課程):IT・MT・BIの統合、上級情報技術学、上級マルチメディア技術学、上級ビジネス情報技術学
- 特色は企業協力で、次のような産学連携教育を進めている。
- アーム社(タイ):ウェブ設計とアプリ開発の実践的理論。
- インタースペース社(タイ):アクセストレード(広告取り扱いサービス等)、アフィリエート(個人サイト関連)マーケティング
- A-Host社:ソフト設計・開発
- 座学および実習で使われるソフト、アプリ等:SAP、iOS、Visual Studio、 Oracle、 Google、 Autodesk、 Cisco、Final Cut Pro X、Adobe Creative Cloud などなど。
- 設備・研究室は、マルティメディアスタジオ(写真)、コンピュータ室、iMac室、ネットワーク研究室があり、ご来訪いただければ幸いである。
編者:吉原秀男(Yoshihara Hideo)泰日工業大学(TNI)学長顧問