泰日工業大学 ものづくりの教育現場から
第73回『タイで日本技術の真髄を学ぶ8人のTNI国際プログラム第1期入学生に聞く』
タイでものづくり教育を進める泰日工業大学(TNI)の例をもとに、中核産業人材の採用・育成について検討します。今回は、2018年8月14日に行われたTNI国際プログラム入学式に出席した、7カ国54人のうち、専攻分野別に日本、タイ、フィリピンの学生8人から、TNIを選んだ理由・日本技術・専攻・将来などについて聞きました。変化の時代を意識した輝く目を持った若者達です。最後に英語担当の先生からも心構えを聞きました。
DGE(Digital Engineeringデジタル工学):
- ナッタヤーさん(女性、タイ・チョンブリ県):山梨県の日本航空高等学校に3年間留学。先輩から話を聞き、日本語とともに専攻を学べるTNIを選択。学生同士が助け合って成長できるところが良い。日本の技術は素晴らしく、将来日本の大学院に行き、工学をさらに学んで、タイの工学を発展させたい。
- アイズさん(女性、バンコク): 9つの大学に合格。TNIを選んだのは、先輩の勧めと、今はデジタル時代で技術を学ぶことが将来の自分の糧になり、またTNIで初めてのデジタル工学であること、さらに父母は日本語が話せて、私も日本語を習いたく、先進技術のある、美しい日本で自分を磨きたいと思ったから。将来は、ゲームビジネスなど起業を考えたい。新たな大学と仲間にも深い関心。
- アイヴァン君(男性、フィリピン・バタンガス市):大使館の紹介でTNIを知った。幸い外交官の父が一緒で、今の世界の技術の重要性とTNIの評判を聞いた。日本文化や日本の常に進化するやり方を学び、できれば日本で新しい技術を開発・創造できる仕事に就きたいと思っている。タイは外国人に優しく、友好的で、ここで学べることを大いに期待。
- ジョン君(男性、フィリピン・バタンガス市):いとこのアイヴァン君と、アパートは同室。TNI情報も彼から。バンコクに来て3週間になるが、TNIの教え方は素晴らしく、卒業生の成功例も聞いた。TNI設立11年の評判も良く、自動車に関心あるので素晴らしい学習環境と認識。日本は、新幹線などハイテク技術で有名で、将来技術革新の一端を自分も担いたい。今の車を超える車を創造できるように革新技術を習い、ビジネスを考えたい。
DSA (Data Science and Analyticsデータサイエンス・解析学)
5. ファーンさん(女性、バンコク):DSAは好きなテーマで、コンピュータ科学と日本語・英語に関心。日本人の父にも聞いて、この専攻にした。グーグルでもデータサイエンスは有望分野で、インダストリー0に向け、会社の需要は高いと言っている。
6. 今井貴(たかし)君(男性、埼玉県):バンコクに居住する兄に勧められ、学費・生活費が安いのと将来ITの仕事に就きたいと思って応募。学費等は高校卒業後、1年間アルバイトをして稼いだ。英語の努力は必要と認識しているが、タイ語・食事はサバイバル可能。
IBM(International Business Management国際経営学)
5. ニナさん(女性、バンコク):TNIは高校の紹介。母は日本人で、日本文化に関心。日本技術も素晴らしい。英語をもっと学習し、IBMを勉強して、ビジネスウーマンになりたい。また将来起業も考えたい。
6. 大久保倫也(ともや)君(男性、横浜市):高卒後、いくつかの仕事を経験しながら、ヒップホップ音楽バンドを結成し、またTシャツなどのインターネット製造・販売をやっていたが、今後の自分と事業展開を考え、自分をリセット。仕事に関係ある東南アジアのハブのバンコクで大学を探した。特にTNIでは輸出入業務や国際経営戦略、各国の人との交流に関心。
- 英語担当ガレス先生(タイで18年、TNIで7年。アーサー王の騎士・後裔で、常にネクタイ着用の英国紳士):自分の役割は、英語学習を容易にするファシリテーター。若者に自信を付け、勇気付け、積極的に英語に取り組むよう動機付けるのがよく、ネガティブにならず、シャイにならず、Youtubeなどで自主的に語学挑戦できるようにしたい。クラスでレベルが違う場合、学生間で勉強を助け合う雰囲気を心がけている。国際プログラムなので、文学など上級英語も教えたい。
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